保健師からママへアドバイス~離乳食の不安~
こんにちは、保健師のアオです。
母子保健分野で保健師をしていると、必ずママたちから質問されるのが「離乳食」についてです。ママたちからよく聞く「離乳食に関する不安」とそれに対するアドバイスについて、まとめてみました。
どのようなものから始めたら良いの?
おかゆをひとさじから始め、日ごとにひとさじずつ増やしていきます。その後、離乳食に慣れるのに合わせて野菜などを加えていきます。アレルギーのことを考慮して、新しい食材を始めるときは土日は避け、平日の日中に与えましょう(小児科のやっていない時間帯は避けましょう)。
離乳食を食べてくれません
離乳食を食べない理由には、「お腹が空いていない」「遊びたい」といった理由のほかに、「食べにくい」という理由があります。
- 味が苦手
- 硬さや大きさが苦手
赤ちゃんは「甘み」が大好きです。生きるために必要なエネルギー源(糖質)を摂れる食べ物として、本能的に喜ぶようです。お砂糖などは不要で、食材の甘みで十分ですよ。逆に、赤ちゃんは「苦み」「酸味」が苦手です。離乳食を与える前に、まずはママが味見して、チェックしてあげることが必要です。
赤ちゃんの発達に離乳食の形態が合っていないことが、食べない理由の大半を占めています。硬さ、大きさ、パサつきやとろみの程度などをチェックし、赤ちゃんが食べにくい離乳食ではないかどうか確認しましょう。育書通りに作っても、今のわが子に合っているかどうかはわからないので、ママによるチェックが必須ですね。
離乳食を食べるすぎるんです
食べることに慣れてきた証拠です。離乳食の量を減らすよりも、食品の数を増やしてみるという方法がお勧めです。メニューが増えることで、赤ちゃんは満足してくれると思います。また、離乳食が柔らかすぎるのかもしれません。月齢に見合ったかたさに調節して、噛む力をつけてあげましょう。
味付けはどうしたら良いですか?全く味が付いていないとまずそうで…
離乳食の場合は、素材の味と出しの味があれば他の調味料は必要ありません。参考のために、ドラッグストアで販売されているベビーフードを試食してみるとよくわかると思いますが、大人が食べて「味が薄いな」と思うくらいが赤ちゃんにとっては丁度良い味付けです。離乳食の時期に味の濃いものを与えると、赤ちゃんはそれに慣れてしまいます。
遊んでばかりで食べてくれません
お皿をひっくり返したり、食べ物を手でつかんだりと、いわゆる「遊び食べ」が目立つ時期がやってきます。これは、五感をフル活用している証拠であり、自我が育ってきたということでもあります。つい大人はイライラしてしまうのですが…大人と同じ食器にしてあげたり、手づかみで食べられるメニューにしたりと工夫をしながら、優しく見守ってあげましょう。
手づかみで食べられるメニューはどんなものがありますか?
やわらかめのご飯であればおにぎりにしたり、パンはスティック状に切ってあげると良いですね。茹でた野菜も、野菜スティックにしてあげるとパクパク進みます。パンケーキやお好み焼きなども、手づかみ食べが可能です。のどにつまらないように、食事中はその場を離れず見守ってあげるようにしましょう。手づかみ食べをさせると、部屋は汚れ、手や服もベタベタになりますが、自分の食べたい物を好きなように食べることで赤ちゃんなりに「食べる意欲」が湧くように思います。
離乳食を食べないと栄養不足になりますか?
「食べる量がすくない」「思うように食べてくれない」という不安から、「栄養は足りている?」「成長に問題はない?」という悩みが出てくるものです。順調に発育して機嫌も良く、毎日元気に遊んでいる様子が見られれば、心配いりません。不安を抱えるママたちには、育児書通りに離乳食が進まなくても大丈夫だと言うことを伝えてあげたいですね。
ママたちが不安に思うことは、ちょっとしたアドバイスで軽減されることが多いものです。安易に「大丈夫」というのではなく、専門家としてのアドバイスをきちんとお伝えしてあげたいですね。
この記事を書いた人
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病棟看護師として2年勤めた後、保健師へ転職。
現在、保健師8年目。プライベートでは二児の母であり、ワーキングマザー6年目。
主に、地域での看護のお仕事や子育てとの両立についての記事を書いていきたいと思います。
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病棟看護師として2年勤めた後、保健師へ転職。 現在、保健師8年目。プライベートでは二児の母であり、ワーキングマザー6年目。 主に、地域での看護のお仕事や子育てとの両立についての記事を書いていきたいと思います。
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