これってマタハラ？

今、巷ではマタニティハラスメントなんてよく聞きますね。きちんと上司に訴えることができたなんてなんてすごいんだ、と感心してしまいます。でも今の世の中言わなきゃ損なんですかね？
私は今思えば、そのマタニティハラスメントで退職したのだと思います。今となっては・・・渦中にいるときにはそんなこと考えもしなかったんですが。
数多くの病院がワークライフバランスと言っておきながら、まだまだ子育てしながら働くには問題がある病院が多いと思います。現場の状況を知っているので、仕方がないかと思いますが、それでも子育てしながら働きたいんです！と強く思います。私が妊娠し2歳の子を連れながら、働いた時の経験を話したいと思います。

妊娠は病気じゃない

まず、だれでも妊娠した方は言われたことがあると思います。初期ではつわりもあり、ホルモンバランスの崩れから精神的にも安定しない時にこの一言はぐさっと突き刺さります。「病気じゃないんだからやってもらえば？」と妊娠を経験したことがない先輩ナースに後輩指導のため清拭を実施するという、体力的に少しきつい業務。自分の担当患者さん以外の清拭かー、あー貧血で倒れそう。でも後輩のために妊娠しながらもここまで働けるんだぞ、というお手本となるためがんばって実施。まぁつわりの気持ち悪さを忘れさせてくれるからいいか・・・なんてポジティブにとらえながら仕事してました。確かに妊娠は病気ではないので、いたわってほしいとは思いませんが、大切な命をおなかの中で守っているので気遣って欲しいと思いませんか？

検診と友達の結婚式

妊娠すると3週間に1回、2週間に1回と妊婦健診というものがあります。私はその時2歳の子もいたので夜勤はなく、月曜日から金曜日フルタイム、月2回土曜日半日という勤務でした。なので、検診に行くとしたら半日勤務以外の土曜日しかありませんでした。そこに友達の結婚式というめでたい行事が舞い込んできました。友人も次の日が日曜日のほうがみんなが楽しく飲めると考え、式は土曜日。さて・・・土曜日休み希望していいかな？とふとよぎる不安。検診と結婚式でほぼ土日休みになる私・・・他の人も土日休みたいだろうし・・・。いろいろ考えていてはだめだと思い、次の日結婚式のための休み希望を提出してみました。すると「検診と結婚式、どっちが大切ですか？必要な方しか休みを出せません。みんな休みが欲しいのに働いているんですよ」と上司からの呼び出し。「検診のほうが大切です」
友人には後程、結婚祝いを贈るだけで終わってしまいました。結婚式に行って、ドレス姿見てお祝いしたかったー、とさみしい気持ちになりました。

本当にそうなの？

2歳の子はもちろん仕事中保育園に預けていました。子供の集団生活は多くの感染症にかかる機会があります。毎月のように手足口病だ風邪だ、インフルエンザだとかかっては休むことがありました。私のつわりがピークを迎えた時期、子供も風邪をひき休むことがありました。2，3日休んでから出勤すると、先輩ナースから「ねぇほんとに子供の風邪で休んでたの？」と言われ、目が点になりました。妊娠するとこんなにも人の見方が変わってしまうのかと、愕然としました。たまたまその先輩が何も考えず口にだしてしまう人だったのかもしれません。でもその時の私には悪魔に見えましたよ。もう、つわりで辛そうに見えないようにしないと、私はうそつきになってしまうかもしれないと思いました。

私は根っからのすぐ忘れて立ち直るタイプだったので、今回いろいろ言われても寝てすぐ忘れたので、次の日も職場に行きぎりぎりまで仕事をしながら、無事に出産を終えました。今思えば、頑張ってよかったと良い思い出になっています。

まだまだ妊娠している看護師を支える体制や子育てをしながら仕事も家庭も両立できる体制を整えている病院は少ないです。そう謳っている病院は多いですけどね。