メスと汗から訪問入浴の世界へ

こんにちは。元手術室看護師のハーモニックです。オペナース以外が聞いたらなんのことやらハーモニーの事かと思うようなハーモニック＝低侵襲電気メス。響きが好きでニックネームにしましたｗそんなハーモニックは手術室に１０年以上勤務し出産を機に退職。子供も１歳になりそろそろ働くかと思い派遣会社に登録してみたがメスと汗しかしらない私に働き口が少ない少ない。。。いわゆる医療行為がほぼできないのですから。とりあえず医療行為の少ない訪問入浴のお仕事をぽつぽつはじめてみました。そんな私が山あり谷ありもがいている様子をよかったらご覧ください。

１０年以上ぶりに聞いたコロトコフ音

はじめてお仕事させていただいた訪問入浴。医療行為は少ないから大丈夫といわれ、バイタルだけ測ってくれたらあとはこちらでサポートするから～といわれ。バイタルね。はいバイタルと。バイタルぐらいならできるかなと甘く考えていました。手術室でのバイタルといえば麻酔器についている自動血圧計。病棟実習でも自動血圧計だったし、まぁ自動血圧計が入ってるだろうと疑いもせずにいたらー入っているのはステートに手動血圧計！？軽いパニックに陥りました。えっとコロトコフ音！？ってあれ上腕動脈だっけ？！１０年以上前の学生の実習がおそらく最後のコロトコフ音。あの頃の記憶を頼りにマンシェットを巻いてシュポシュポシュポ。プシューとゆるめると聞こえましたよ！！１０年以上の時を経て聞こえるあのドクドクとした血液の音！！おーっと感動しました。機械に頼らなくてもあたし看護師だからこの人の血圧測れるんだー！って。
そしてプルス脈脈。脈なんてもうほんと触れることはあっても実際に測るなんてもう。骨と皮のおばぁちゃんの脈はどこにあるんだか全然わからず心で泣きながら探しました。また、恥ずかしながら秒針つきの時計を持参する頭もなかったので枕元にある時計についてる秒針を使わせていただきました。
呼吸数とかもね。SPO2じゃないのねそうよねなんて思いつつ。胸郭の動き確認するの難しいわーと思いつつ計測。えらい時間かけてバイタル測定終了しました。。。

ストマは作る専門でしたから

次に訪れた試練はストマ。派遣会社の最初の登録でストマ管理はできませんにチェックしたはずだったんっですが～。介護士さんに大丈夫大丈夫マニュアルあるし息子さんが全部やってくれるから。と言われ、はぁ。まぁそれならと思いつつ。マニュアルみてもなんかパウダーふってだとか一部くぼんでるとこがあるからそこには丸めたやつを挟んでだとかって。どういうことっ？！て思いつつまあ息子さんがいるのよねなんて大船にのったところ～今日は息子さんでかけてて不在ですと。変わりに「私全然わかんないのー」という高齢の奥様が一人。。。
とりあえずお風呂にはいってーそしてストマね！ストマ作り方は知ってるんだけどそのあとのパウチのことなんて～ドクターにパウチ渡して終わりだったよーなんすかこの粉？リムーバー？目の前の利用者さんに不安感与えちゃいけないと思いつつ何度も介護士さんに聞いてマニュアルみて奥さんと四苦八苦。苦笑いの利用者さん。。。なんとか貼ったあとに温タオルを渡されて、あっためるとくっつきがいいんですと。そういや手術室でもストマ増設オペの時パウチは保温庫であっためてたなぁなんて淡い記憶を思い出しながら温タオルであっためました。ご家族に「こないだ貼ってもらったのは調子よくてもれなかったの～」なんて軽いプレッシャーをうけつつ「今回も前回と同じようにやりましたからね。」と、どぎまぎしながら受け答えあとにしました。

手術室って医療の最前線。自動でバイタル測定してくれる麻酔器もあるし医者もたくさんいるしある意味めぐまれていたなぁと思いました。あの頃と比べると医療従事者は私しかいない使う器具も限られている状況ってものすごいヘビーです。でも患者さんにすごく近い感じがしてこれも楽しいなぁと思いながらちゃぷちゃぷしています。メスと汗の世界にも、おうちでお風呂ぱちゃぱちゃの世界にも看護師って必要とされてるんだなぁと改めて感じる刺激的な日々を過ごさせてもらっています。。。