保健師のお仕事~相談業務~
こんにちは、保健師のアオです。
私は看護師を目指したきっかけの一つは・・・実はドラマ「ナースのお仕事」です。
観月ありささん演じるおっちょこちょいナース朝倉いずみが、日々ナースとして奮闘しながら患者さんに元気を与えていく姿を見て、単純な私は「ナースって楽しそう、やりがいありそう」と思ったのです。
私の場合は、看護師から保健師に転職しましたが、今でも医療系のドラマは好きでチェックしています。
いつも思うのですが、看護師や医師を取り上げるドラマはあっても、保健師のドラマってなかなかないですよね。
保健師は、看護師と比べてまだ世の中では認知度も低く、「保健師です」と言っても、「どんな仕事?」「保険関係の人?」と言われたりします。
保健師の仕事内容は幅が広く、一言で仕事内容を説明することができないので「地域で働く看護師さんです」とか、「いろんな相談にのるお仕事です」とかお返事はしていますが、きっと伝わっていないだろうなぁ・・・と思ったりしています。
そこで、「ナースのお仕事」に対抗(?)して、
「保健師のお仕事」シリーズ第1弾! ~相談業務~ です。
どんな手段で相談がくるの?
電話、来所など集団は様々です。
健康教室を行って、参加された方から相談を受けることもあります。
誰が相談にくるの?
ご本人、同居の家族、遠く離れた家族。
病院に入院中の方の相談として、病棟の看護師さんやソーシャルワーカーさんから相談が来ることも多いです。
意外と多いのが、近隣住民の方。「近所で心配な方がいる」という相談が増えています。この場合は、相談者が特定されないように配慮する必要があり、「この辺を訪問して回っている保健師です~」と突撃訪問するケースが多いです。
どんな相談が多いの?
相談内容は本当に様々です。
「血液検査の結果の見方がわからない」「錠剤が大きくて飲み込めない」「頭が痛いが何科にかかれば良いのかわからない」など健康に関すること。
「どこか運動できる場所を教えてほしい」「認知症かどうか気になっている、ぼけないように対策したい」など介護予防に関すること。
また、「遺産相続について聞きたい」「お金がない」「近隣トラブルで困っている」などなど・・・
保健師だけで対応可能なこともあれば、他の職種や機関につなげる必要がある相談ごとも多くあります。
相談を受けたらどうするの?
できるだけ速やかに対応することが必要です。
決して相談者をたらいまわしにはせず、必要な機関や制度に速やかにつなげる必要があります。
相談内容・対応については必ず記録に残し、次回相談を受けたときには自分以外の人が見てもスムーズに対応できるようにしておきます。
今までで印象的な相談は?
「一人暮らしの高齢者が、自宅で倒れて動けなくなっている。救急車を呼ぶことを拒否しているので、保健師さんに来てほしい。」と近隣住民からの相談がありました。
すぐに自宅を訪問しましたが、救急車を呼ぶ必要があると判断し、本人を説得して救急車を呼びました。同乗して病院へ行き、無事治療を受けてお元気で退院されました。
初対面で病状も既往歴も経済状況も全くわからない方で、ドキドキしましたが、なんとか対応できた・・・という新人時代のエピソードです。
相談対応の七つ道具
1.名刺
2.名札
相談を受ける時は初対面のことがほとんどで、まずは自己紹介から始まります。名刺には「看護師・保健師」と職種を載せており、名札には顔写真も載せているので、これである程度は信頼してもらえます。
3.ペン
4.メモ
基本的にはお話を伺うことに集中するので、あまりメモはとりません。しかし、検査データや緊急連絡先など重要なことはしっかりメモします。
5.パンフレット
健康や制度に関するパンフレットは常に持ち歩いています。いつでも必要な情報提供ができるように準備しています。
6.スマートフォン
自前のですが・・・。他機関や他職種にもすぐに連絡できたり、必要な情報を調べることができるので助かっています。
7.使い捨てスリッパ、替えの靴下
訪問することになった場合・・・もしそのお宅が「ゴミ屋敷」と呼ばれる部類だった場合を想定して準備しています。他の職場で働く保健師さんからは、職場から「作業着」「長靴」が支給されていると聞いたとこもあります。
こんな感じで、日々相談業務に奮闘しています。
大変なことも多いですが、たくさんの方の人生に触れることができる貴重な仕事だと感じます。
次回は、保健師のお仕事~デスクワーク~ をご紹介させていただきたいと思います。
この記事を書いた人
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病棟看護師として2年勤めた後、保健師へ転職。
現在、保健師8年目。プライベートでは二児の母であり、ワーキングマザー6年目。
主に、地域での看護のお仕事や子育てとの両立についての記事を書いていきたいと思います。
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病棟看護師として2年勤めた後、保健師へ転職。 現在、保健師8年目。プライベートでは二児の母であり、ワーキングマザー6年目。 主に、地域での看護のお仕事や子育てとの両立についての記事を書いていきたいと思います。
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