看護師の仕事を長く続けるためには
看護師1年目は救命救急センターで働いていました。救命救急と聞くと聞こえは良いし、格好いいイメージがありますが、それは仕事が出来る人が働けばのことであって、あくまで1年目なので素人に毛が生えた程度ですから、働きっぷりといったらもう酷かったです。それに全く希望していなかった職場だったため、気持ちは後ろ向きでした。
職場には、とても怖い先輩たちがゾロッといたのでそれだけでも怖いのに、患者さんは生きるか死ぬかの重症患者さんばかり、点滴の数も半端無く、ちょっと体位変換しただけでドーンと血圧が急上昇したり、見たことのない機械やモニターがたくさん付いている状態。毎日仕事に行っても先輩に怒られるか、点滴や指示の確認の為ドクターをつかまえるのに猛ダッシュしたり、持ってきてと言われたものがわからずあたふたしたりと、汗というより冷や汗まみれの日々でした。
1年目はとにかくやめたいというのが口癖でした。同期同士で飲みに行ったり、隣同士の患者さんを受け持ち、清拭や体位変換を一緒にしているとき、仕事が終わって記録をやりながらなど、顔を合わせれば「早く辞めたいよね」、「一般病棟に希望だそうかな」といった会話をいつもしていたように思います。何の為に働いているのか、職場に足が向かない、休みの日もただ寝ているだけと無気力な時期が続いたこともありました。
ふと、このままじゃ何も変わらないな、生活や自分の考え方を変えなきゃダメだと思い、私が心がけたり、実践していたことはこんなことです。
何でも話せる先輩や同期を見つける
これを見つけられるだけでも本当に救われます。逆を言えばこれが見つけられないと本当に辛いです。職場以外の友人だと専門的な話が分からない上、アドバイスをしたり、されたりというのが難しいので、やはり「あー、それわかるわかる!」と辛いことも、嬉しいことも分かち合える職場の仲間を見つけることは重要です。
ちょっとしたことを相談したり、一緒に飲みに行って愚痴をこぼしたり、自分の思いを共感してくれる相手がいてくれるだけで精神的に強くなれます。私自身もよく信頼できる先輩と飲みに行ってストレス発散していました。ちなみに15年経った今でも仲良くしていて、私にとって唯一無二の存在です。
怒られた内容だけ覚えていて、怒られたことは忘れる
毎日毎日怒られることは本当に辛く、何かわからないことがあっても聞くのをやめてしまおうかなと思ったり、怒られることで心が萎縮してしまいますよね。
私が実践していたのは、怒られたことは流す、そして内容だけしっかり覚えておいて同じ失敗をしないようにメモをしたり、身体に覚えさせました。こうすることで怒られるというより、色々教えてもらっているという捉え方に変わり、気持ちが楽になりました。
趣味や、打ち込める何かを見つける
これは旅行でも、スポーツでも何でもいいのですが、仕事を忘れて楽しめる何かを持つことは絶対に必要です。
私も年に2回は国内、海外の旅行に行っていました。これがあるから仕事頑張れるというものを見つけられるといいですよね。職場にワーカホリックと化している上司がいましたが、仕事が趣味というのは良いのか悪いのか、ちょっと寂しい気もします。
目標を持つ
私はこれに関しては出来なかったんです。短期でもいいし、長期目標でもいいので、自分はこうなりたい、こうしたいという目標があると今の景色が違って見えたり、仕事に対する姿勢も変わってくると思います。
例えば、今は認定看護師になって専門性を高めている看護師もたくさんいます。色々な学会に出たり、そこで発表するなど、何か自分の強みを見つけて発揮できれば、今後何かを積み上げていく為の強い土台になります。また学んだことを職場に持ち帰り、実践することで知識、技術の共有や、より良い職場環境を作ることができたり、仕事の効率化を図ることができるかもしれません。
私ももっと早く気がついていれば、ちょっと違った看護師生活を送れたかもしれないです。私の日課は家に帰ったら「あー、今日も無事終わった」とカレンダーにバツ印を書くことでしたから。バツ印を書くたび、「これいつまでやったらいいんだろう」と涌き上がる不安。自分の看護師人生や、今後どんな方向に進んでいきたいのか真剣に考えるようになりました。
この記事を書いた人
- 育児中の30代看護師。救命救急センター、内科病棟、外来等で働きました。市役所や健診センター、企業での産業保健師としての経験があります。
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