ナースはつらいよ

主治医意見書が完成するまでの裏事情

皆さんもご存じかもしれませんが、公的介護保険サービスを利用するためには、要介護(要支援)認定を受けなければいけません。

その時必要な書類の一つが「主治医意見書」と呼ばれるものです。

「主治医意見書」をこころよく作成してくれる医師もいれば、なかなか書くのを渋る先生もいます。

主治医意見書ができるまで、私が体験し思ったことを書かせて頂きます。

主治医意見書の重要性

介護度を最終的に決定する認定審査会では、主治医意見書と、対象者への面接での調査書に基づいて判定が行われます。

その判定に基づきサービスを受けられる内容や補助金の金額が変わってきます。

また、対象者への面接は1回限りのため、長期間にわたって患者と関わっている主治医の意見書の方が信頼性が高いとみなされることもあるのです。

また、介護度が決定した後、介護サービスを利用するために必要なケアプランの作成の際にも主治医意見書は参考資料とされています。

主治医意見書の記載内容

主治医意見書の記載内容を簡単にまとめると以下のようになります。

1.診断名

2.病気の経過や治療内容

3.心身の状態:日常生活の動作、認知症の程度をランク付け

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)、認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準に基づく

4.身体の状態
身長、体重、利き腕、麻痺、筋力低下、関節、皮膚状態など

5.生活機能
移動に介助が必要か、自力で食事が可能か、栄養状態は良好か

6.介護サービスに関する意見
どんなサービスが必要か、サービスを受けるときの注意点

主治医が明確でない場合どうする?

例えば、内科、眼科、整形外科、皮膚科など複数の医師にかかっている場合どうしたらいいのかという問題があります。

主治医を誰に決めるか基準とすることは、専門的な病気で介護が必要になった場合(脳や神経の病気など)は、その専門の医師にお願いすることもありますが、基本的には身体全体のことを総合的に診ることができる医師が適切なため内科医師に依頼するのが望ましいでしょう。

前述した主治医意見書の内容をみればお分かりだと思いますが、眼科医、皮膚科医などは適任とは言い難いでしょう。

また、これまで元気だったため特定の医師に診てもらったことがない方がいます。

このような場合主治医と呼べる医師がいなくて困ってしまいます。

このような場合は、要介護申請の窓口で相談すれば市町村が指定する医師、主治医となってくれる地元の医師の紹介やリストをもらうことができます。

主治医の現状と問題点

総合病院の外来に勤めていた時、主治医意見書が来るとブルーな気持ちになりました。

定期的に受診している方ならば問題ないのですが、例えば内科には半年に1回で整形外科には1か月に一回という方が意外と多いのです。

そこで前述のとおり総合的に診ることができる内科医に主治医意見書の作成を依頼すると、「いつも診ているわけでないしわからない。筋力や関節のことなんて専門外だからできない」と、駄々をこねるのです。

仕方がないので整形外科の医師に依頼するのですが、「非常勤で居る時間内に書けない」と言い、主治医意見書の内容を見ると問診に時間がかかり無理そうです。

身体状態や認知症の程度はカルテを見返してもわかるものではありません。

いつも予約患者が多い時に上記のようなことが度々あり、患者には待ち時間が長いと苦情を言われるしで大変でした。

現在勤めている施設では、提携病院の大学病院の内科医師が定期的に往診に来てくださっています。

往診にいらしている先生が主治医となっているのですが・・・

都合が悪いとすぐに「私は施設との約束上往診に来ているだけで主治医でもなんでもない」と言い張り主治医意見書を書くのを嫌がるのです。

宿直で救急外来の担当をしているのに、自分の専門の内科分野しかわからない、そして何よりも対象者(入居者)に興味がないのです。

嫌だと言われても、施設側から結構な代金をお渡ししているのだから決められたことはきちんとして欲しいとお願いし作成してもらいました。

すると、前回の状態と生活が変化していることがカルテに記載いしてあるのにカルテすら見ず、前回のままだったり、名前が間違っていても全く気付かないなんてこともあるのです。

本当に入居者に興味がなく、主治医意見書の重要性すらわかっていないのだと確信しました。

これでは、対象者が気の毒です。

しかし愚痴っていても何も変わらない。どうにかせねば。

看護師の役割

主治医意見書の内容からして医師がすべて把握するのは難しいと思います。

生活面では看護師の方が詳しいのです。

なので看護師が情報収集をして下書きしたものを医師が確認し入力して頂くことにしました。

外来でも事前に問診をとって医師が作成しやすいように工夫すればよかったと思いました。

例えば予約の時点で、主治医意見書の作成と分かるならば、ある程度、ご家族に生活状況を書いてきていただけるようお願いするのも一つの方法だと思いました。

さいごに

知り合いの保健師にそんな苦労を愚痴ると、「そうそう、看護師が記入しているところが多いみたい」と思わぬ返答が返ってきました。

施設から往診医に支払う賃金を聞くと「返せ!」と言いたくなりましたが、これも他職種連携の重要な役割だと思い今日も頑張っています。

この記事を書いた人

こごみ
十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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お年寄り大好きナース
こごみ
健康が一番!

十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。

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