ナースはつらいよ

オペ室の番長

私が中途で入職した病院のオペ室には、「番長」という言葉が最適なボスがいました。そして、その「番長」は師長でも主任でもなく、ただのオペ室看護師です。

「番長」降臨

私は中途で入職したのですが、4月入職だったことと、いままでは病棟勤務でオペ室は初めてだったことで、ほぼ新人と同じ扱いを受けていました。研修などを終え、ようやくオペ室配属になり日々の業務を覚えて2−3週間が経った頃、先輩方が新人歓迎会を開いてくださいました。

その、新人歓迎会を企画・運営してくれていたのが「番長」がいるチームだったのです。

新人歓迎会はお決まりのごとく、自己紹介をし皆で飲んで喋って騒いで。少しは先輩方とも仲良くなれたかな、と思い次の日の勤務が心なしか楽しみでもありました。

しかし、次の日の朝、事件は起こったのです。

朝の朝礼で、師長・主任・リーダーの話が一通り終わり、今日も事故のないよう気を引き締めて頑張りましょう‼︎と朝礼が終わりかけたその時、

「1年生、昨日歓迎会開いてもらったんでしょ??」
「なんか言うことないわけ??」

「番長」が強めの口調で私たち1年目に向かって睨みを利かせ言ってきました。

一気に周りの空気が変わり、誰一人として口を開かずシーンと張り詰めた状態が続きました。
中には、目と目を合わせて、「さすが番長、言うね〜」というような表情をしている先輩もいました。

しばらくしても、私たち新人は皆固まっていて(私以外、皆新卒でしたので)何も発しないので、このままでは朝礼が終わらないと思い仕方なく、

「昨日は私たちの為に歓迎会を開いてくださりありがとうございました。」

「まだまだ分からないことだらけですが、一つづつ仕事を覚えていこうと思うのでこれからも、よろしく御願いします。」

と、私は重い口をしぶしぶ開きました。これに対し「番長」は何も反応せず、そのまま朝礼が終わりました。

確かに、歓迎会のお礼の挨拶をしなかった私たちも悪いと思うのですが、わざわざそれを朝礼で皆の前で言うことなのでしょうか?

今まで勤めていた病院にも理不尽に怒る人はいましたが、このようなことを言う人はさすがにいなかったので、「恐るべし要注意人物」としてこの日から私の中にインプットされました。
もちろん、この話は同期の中ですぐに話題沸騰になり、他の先輩とも、「あれはないよね〜」と言うほどに。

まさしく「番長」降臨の日でした。

師長より主任より番長強し

通常、トップが師長、その下が主任となるわけで、もちろん権限的なものもその順番に基づくものだと思っていました。このオペ室に配属されるまでは。いや、「番長」に出会うまでは。

私が配属された時期より少し前に師長も変わったらしく、皆口を揃えて、前の師長のがよかったと言っていました。それもそのはず、新しくオペ室に来た師長は病棟では師長をやっていたがオペ室で師長をやるのは初めて。それどころか、オペ室で働いたことがないというではないですか。

そのせいか、師長に何を聞いても分からず、長年いる主任に聞く始末。これには私もびっくり。しかし、その主任は「強いものには巻かれろ」タイプの人間だったのです。もちろん、師長にはへこへこする毎日。

そしてなんと‼︎自分よりも立場が下のあの「番長」にもへこへこしていたのです。これには本当に驚きました。

「番長」が言ったことには一切口を出さず。

「◯◯さん(番人)が言うならそうだよね〜」

と自分や他の人の意見と違ったとしても、賛同してしまいます。

なんかおかしい。

そして、「番長」に理不尽なことで怒られ泣いてしまった同期が何人もいました。その度に師長に呼ばれて話をしていたのですが、なんと、師長は新人の味方ではなく「番長」の味方をしたのです。

例え、百歩譲って「番長」の言うことが正しかったとしても、泣いて落ち込んで仕事にやる気がなくなっている新人に対して少しは、労ろう・慰めよう・気持ちを分かってあげようとその子の前だけでもいいので、そういう思いにはならないのでしょうか?

これでは、理不尽に怒られた新人の子たちは身のおきようがなくなってしまいます。人を育てていく・管理する立場の師長がこれでよいのでしょうか。それともオペ室のことが何もわからないので、「番長」の言うことが正しいと思っているのでしょうか。

なんかおかしい。

誰よりも強い番長

師長・主任が「番長」に対して何も言えないのですから、当然他のスタッフも何も言えません。ということは、オペ室の看護師の中で「番長」が一番強いのです。もちろん、ヘルパーさんやクラークさん、お掃除さん、滅菌室の人、業者さん、MEさんなどオペ室に関わる全てのスタッフさんが「番長」には何も言えないのです。

そして、何よりも言って欲しかった医者までもが「番長」の言いなり。何も言えず。「番長」がいないところで愚痴をこぼす始末です。

一体なんなんだ、この人は。

もちろん、私も言えるはずもなく何も言えないまま退職しました。

私が退職して、半年後に系列の他病院に移動になったそうです。なんでも、私の同期が看護部長に「番長」のことを直談判したらしいです。
やっと、そこのオペ室にも平和が訪れたようでよかったです。

この記事を書いた人

猫太郎
看護大学を卒業後、大学病院の病棟で3年間勤務。その後、総合病院のope室に1年間勤務し、クリニックにも1年間勤務。現在は、妊婦生活中の専業主婦になりました。
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専業主婦
猫太郎
妊娠生活中です♪

看護大学を卒業後、大学病院の病棟で3年間勤務。その後、総合病院のope室に1年間勤務し、クリニックにも1年間勤務。現在は、妊婦生活中の専業主婦になりました。

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