ナースはつらいよ

驚愕!差額ベッド代は保険適応外

 都心で働くようになり一番驚いたのは、差額ベッド代が高いことです。

施設の入居者の入院が決まり、「病院の看護師にご家族に個室でいいかどうか聞いてもらえます?」と言われ個室料金を訪ねると、「一番安くて1,9000円です」と答えが返ってきて田舎者の私は耳を疑いました。

思わず「もっと安い部屋はないんですか?」と聞いてしまい「だから一番安くてと言ってんでしょ」と叱られてしまいました。

ある日、ご家族が「そんな高いベッド代払えません。母の骨折の手術はせずそのままで結構です。」と言うので他の近隣の病院を当たってみても個室の差額ベッドの料金がほとんど変わりませんでした。

医療相談員に相談すると23区内の個室の差額ベッド代は大体そのような差額ベッド代だと教えてくれました。

そのまたある日、いつも徘徊をして元気な認知症のある方が、風邪をこじらせてぐったりして病院受診し入院となりました。

しかし、個室に入ると大暴れしたため入院30分で退院させられました。それでも1日分のベッド差額代金をとられたのです。しかもそれが正当だというのです。

しかも医療費は健康保険により1~3割負担ですが差額ベッド代は健康保険対象外のため全額自己負担です。

差額ベッド代については、高額療養制度も適用外です。

そもそも差額ベッド代とは何なのでしょうか?いざ自分も入院になった時に困らないようにと調べてみました。

差額ベッド代とは?

健康保険適用の範囲外で患者に請求される病室の費用のことです。差額室料とも言います。

差額ベッド代を要する病室を「特別療養環境室(特別室)」といい、より良い医療を受けるために特別に料金がかかります。

都心の差額ベッド代が高いのは、固定資産税が高いからだそうです。

ちなみに全国の平均的な1日当たりの差額ベッド代次のようになっています。
1人部屋 7,563円
2人部屋 3,065円
3人部屋 2,812円
4人部屋 2,346円
厚生労働省 平成26年9月「第282回中央社会保険医療協議会・主な選定療養に係る報告状況」から

特別室の条件とは

下記4つの要件を満たしていることが条件となります。

一病室の病床数が4床以下であること

病室の面積が一人当たり6,4平方メートル以上であること

病床のプライバシーを確保するための設備があること

少なくとも「個人用の私物の収納設備」「個人の照明」「小机および椅子」の設備があること

差額ベッド代はいつからかかるか

「患者が自ら希望した場合」「同意書にサインした時」になります。

差額ベッド代を支払わなくてもいい時は

病院から患者さんに差額ベッド代を求めていけない場合は以下の通りです。

同意書による確認を行っていない場合

病院が差額ベッド代をとるには設備や料金などを説明し、料金を明示した文書に署名をもらわなければいけないので、署名をしなければ差額ベッド代の支払いは生じません。

治療のため必要により差額ベッド室に入院した場合

救急患者さんなど医師の判断で「治療のため特別室が必要である」と特別室に入院させた場合には患者さんに差額ベッド代を請求してはいけないことになっています。

病棟管理のため特別室に入院させられた場合

MRSA等に感染した患者がいたとします。主治医が他の入院患者の院内感染を防止するため、実質的に患者の選択にによらず入院させたと認められた場合です。

差額ベッド代を抑えたい!

その場で、同意書にサインを拒んだりするのは難しいですよね。他の病院をあたってくださいと言われたり、同意を拒んだため病院との関係が悪くなり「きちんとした治療をしてもらえるか」という心配をするというお話をご家族からよく聞きます。例え短期間の入院だとしても、このような精神状態で過ごすのはつらいものです。ですので以下のことをお勧めします。

同意書にサインする前に

「経済的に支払う余裕がなく大部屋を希望します」と病院に掛け合う
緊急時など同意書にサインするしか選択枠がない時
同意書の署名の横に「大部屋を希望します」と書き添えておく
「自分で望んで特別室に入ったわけではない」という証拠になるそうです。

同意書にサインをしたが、差額ベッド代に納得がいかない場合

支払いの段階で同意書と厚生労働省からの通達文のコピーを添えて提出するのも一つの方法です。

引用:厚生労働省 差額ベッドについての通知

44枚のうち5ページぐらいから書かれています。

医療機関関係の相談窓口に連絡をして相談してみる

「地方厚生局」「法人ささえあい医療人権センターCOLM」などがあります。

小さなことでも丁寧に教えてくれますので疑問や不安があった時は聞いてみましょう。

患者さんは、「治療をしてもらう立場であり同意をしなかったり、拒否したりすることができない状況に自然に追い込まれているということもあるということを知り、説明時は気をつけなければいけない感じました。

また、体調を崩して入院しないように自分も含め入居者様の健康管理には十分気をつけなければと改めて思いました。

参考・引用

引用:厚生労働省 差額ベッドについての通知 より

この記事を書いた人

こごみ
十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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お年寄り大好きナース
こごみ
健康が一番!

十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。

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